【インタビュー】清水レイ コーチ

2018-12-23

今回は清水レイ(しみず れい)コーチにインタビューしました。

スペイン・ドイツとヨーロッパの育成を知る清水コーチにその思いを聞きました。

 

 

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いつからバスケットを始めたのですか?

ー小学校5年生の11月ですね。それまではサッカー少年でした。実はキャプテンまで務めていたのですが、百道浜小学校にバスケットボールクラブが立ち上がるということで行ってみると…。そこから今に至ります。

 

 

どのような経歴をお持ちでしょうか?

ー福岡県の福岡市出身です。百道シューティングスターズ-百道中学校-福岡大学附属大濠高校-西南学院大学ですね。キングスにいる橋本選手・寒竹選手は中学、高校の先輩になります。大学生からは指導者を目指してコーチングを始めました。大学を休学してバルセロナへコーチング留学へ行ったのは1つの転機でした。

 

 

アメリカへの留学はよく聞きますが、スペインにした理由はあるのでしょうか?そこへの繋がりはあったのですか?

ーヨーロッパは育成組織が充実していることで知られていますが、スペインはその中でもレアルやバルサを筆頭に別格かなぁという当時の印象がありました。育成に従事していたのでその最先端を学びたいという気持ちでしたね。それとは裏腹にコネは無かったんです。笑 パスポートと往復の航空券を握りしめてバルセロナへ飛びました。

 

 

到着した後はどうしたのですか…?

ーカタルーニャ州バスケットボール協会に行って、チームを紹介してほしい!と願い出る作戦を考えました。1Fの受付で門前払いを喰らいそうになったのですが10分ほど話し続けて粘りました。ここまで来たからもう引き返せなかったのです。呆れ顔でオフィスに通してもらった後、面会してくれたのがTechnical Director、日本でいう技術委員長だったんですね。彼との出会いでカタルーニャ中の育成を見て回ることができました。

 

 

どのようなチームを見て回ったのですか?

ーバスケ協会がバックアップしている女子育成チームのSEGLE XXI(セグレ ベインティウノ)、日本の国体やジュニアオールスターにあたるカタルーニャ州選抜U12,U14,U16、プロクラブのJoventut Badalona(ジュベントゥ バダロナ)、町クラブもいくつか見ましたね。そしてカタルーニャ州の育成プログラムであるPDPです。現在、日本も各地域でDC(Development Center)を設置しようとする動きがありますが、PDPはその完成形です。

 

 

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滞在中、印象的だったことはありますか?

ー選手の質やコーチのこだわり、そういったバスケの面も非常に勉強になりました。FC Barcelonaの練習施設(Ciutat Esportiva)も圧巻でした。世界No.1のアメリカを追うにはここまで必要か!と打ちのめされた気分になりましたね。印象的だったことを挙げていくとキリがないのですが…。もっとも心に残ったシーンは、アリーナの中に入った時です。スペイン自体は経済的にも厳しい状況で、物乞いにせがまれたこともあります。それでもアリーナの中に入ると人々は熱狂し、立ち上がり、叫んでいるのです。そんなスポーツの持つエネルギーに心打たれたのは忘れられません。

 

 

先週はドイツのプロチームを視察しに行ってましたね。そこでの話を聞かせてください。

ージョン・パトリックさんがHCを務める、MHP RIESEN Ludwigsburg(MHP リーズン ルードウィヒスブルグ)を1週間訪ねました。U12,U14,U16,U19、そしてトップチームの練習とホームゲームを見ました。フィジカル・トーク・ハンズアップのスタンダードが高く、改めてこの水準で指導していきたいと思いましたね。U19のHCがトップチームのACを務めるなど一貫指導も成立しています。トップに必要なことをユースに落とし込む…という形はスペインもドイツも同じでした。僕が見たユーロリーグのホームゲームで、U19に所属する16歳の選手がプロデビューを飾りました。育成が成功する瞬間を目の当たりにして感慨深かったです。

 

 

両国を見て何か感じたことはありましたか?

ーMHP RIESENには全国レベルの選手が集まっていました。FC Barcelonaは世界屈指のビッグクラブであり、Joventut Badalonaはリッキー・ルビオなどを輩出しているクラブです。資金面ではスペインのクラブの方が秀でている感触を持ちましたが、ユースの選手のクオリティは変わらない。そこに考えさせられました。資金だけ、練習施設だけ、というピンポイントの魅力ではなく、総合的な魅力を上げるために工夫を凝らさなければならないと思っています。

 

 

その見てきたものをなぜ沖縄で実践したいと思ったのでしょうか?

ー沖縄にはキングスアカデミーが発足したおよそ2年半前に来ました。僕が学んだものをどこでどうやって形にできるのだろうと考えていたのですが、沖縄のバスケ熱を感じた時に直感的に良いイメージが湧きました。バスケでの盛り上がりはキングスのホームゲームだけではなく、カテゴリー問わずバスケを愛する人が多い地だと思ったからです。

 

 

キングスアカデミーへどのように落とし込んでいるのでしょうか?

ーこの年代にはこのスキルまで習得させる、といった段階的な年間計画を作成しています。また能力的に秀でた選手は年齢関係なく上のクラスで練習できたり、U15の練習に来てもらったり、その年代と能力に応じたものを提供できるようにしています。トップチームの選手がスクールに来てくれたり、トップチームと同じ練習会場で時間をずらして練習したり…と夢であるプロ選手が目標に変わる瞬間を作ろうとしています。

 

 

将来はどんなスクール、ユースチームにしていきたいですか?

ー合理的な育成組織にしていきたいです。どうやったら人は成長していくのだろうか?についてとことん考え詰めて、トップチームへ繋がる三角形を形成したいですね。そして「一歩踏み出す人」を輩出していく機関にもなればいいなぁと思います。そんな人が増えれば沖縄のみならず、各地域がもっと元気に!なると信じています。

 

 

今後の展望を教えてください。

ーこれからも世界にある育成組織を覗いて、日本に適した形を模索していこうと思います。まだまだ先進国には及ばないところも多いですが、いつかは…!と思いながら積み上げていこうと思います。そのためにはある程度の資金も必要です。スポーツの育成に「お金」がつくとネガティヴなイメージがつくことを払拭しきれていない感じがします。そういったビジネス的な面でも魅力に映るアカデミーにしていきたいですね。もっともっと自分も成長しないといけません!

 

 

清水コーチありがとうございました。

次回にも乞うご期待!